【あけぼの学園】
社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 が運営する あけぼの学園(重症心身障害児通園施設)を今回の出演者数名で見学させていただきました。
昭和20 年代。小林提樹博士、草野熊吉氏を中心として重症心身障害児をもつ家族の努力により、重症心身障害児福祉は具体的に展開をはじめました。
小林博士は勤務されていた病院の一棟で重症心身障害児の療育を始め。そして家族によって「両親の集い」後の『全国重症心身障害児(者)を守る会』が結成され、その活発な活動がその後の重症心身障害児(者)福祉の具体化、体系化に大きな役割を果たしてきた。
全国重症心身障害児(者)を守る会は、昭和39 年6 月に、児童福祉法からはずれ「世の中の役に立たず、社会復帰もできぬ子に金をかける必要があるのか」との声も聞かれる世相の中で「たとえどんなに重い障害があろうと、生命をもち、生きているのです。それなりに生き、育ち、伸びるこの子らを生かして下さい」と訴え発足し、今日に至っています。
守る会は「最も弱いものをひとりももれなく守る」という基本理念に添って、施設対策と在宅対策の運動をすすめ、親の意識の啓発と連携を密にするため全国各地に支部を置き地域活動、施設活動を行っています。
また昭和41 年に社会福祉法人を取得し、昭和44 年には在宅心身障害児のために、東京都世田谷区三宿に重症心身障害児療育相談センターを設立、広く療育相談事業を実施しています。通園の「あけぼの学園」は、平成元年に東京都より重症心身障害児通園・通所事業として認可されました。
私は二回見学に行ったのですが、二回とも誕生日会をしていました。特に一度目は、ちょうど当日が三十何歳のお誕生日。
お誕生日の方は、瞬きでイエス、ノーが伝えられる方でした。ピアノの演奏でお祝いするので、ピアノの近くに行くか職員さんが聞くと、合図によって、ストレッチャー式の車椅子でピアノの近くに移動されました。
記念日は大切、という職員さんのお話があったので、そんな瞬間に立ち会えた事がとても嬉しかったです。
榊菜津美
訪問したのは大分前にはなるのですが、JPOPがガンガン流れている施設内の明るい雰囲気にびっくりしたのは今でも覚えてます。
重度の障害がある≒本人も周りも大変。
っていうことじゃない。
どんな状況であっても、その人と一緒に生きていきたいという思いがあれば
お互いに死ぬまで楽しいことや学べること、与えたりもらえることは山ほどあるんだと気付かされました。
幸せとは何か、普通とは何かを凄く考えさせられた時間でした。
相葉りこ
私が想像していたよりもずっと繊細で、一生懸命で、明るい空間でした。お誕生日のお祝いでは、今日まで生きてきた、よく頑張ったね、おめでとうと皆が笑っている姿が印象的で…いや、決して全員笑うことができるわけではないのですが…見ているだけでとても幸せな気持ちになります。
どんな症状の方でも瞬きや指先の動き等、必ず反応はするそうで、私が普段いろいろと見逃しているであろうことを顧みる機会になりました。
一川幸恵
幼児グループのお誕生日会。みんなで楽器を鳴らして、なんだかとても楽しそう。ひとりの女の子が私のほうを見て、少しだけ、にこりとしたふうに見えました。道中、公園でみかけた子たちと同じで天使のようでした。けれど違っているのが、彼女たちにとってお誕生日をお祝いできることが奇跡だということ。重症心身障害者の寿命は30 歳くらいと伺いました。だれが悪いわけでもないのに。私は、なんとも言えない気持ちがしました。
村山恵美
重症心身障害の方は、身体が弱く、基本的に健常者よりも長く生きる事が少ないんです。だから、「10歳まで生きた!おめでとう!」「30歳までちゃんと生きた!凄いね!おめでとう!」と、記念日をきちんと祝うようにしているんですよ、というお話がすごく頭に残っています。「生きている」って事は当たり前じゃない、本当に凄い尊い事なんだと、改めて思いました。
中村早香